実業之日本社 お気に入り
春に恋したねこ
あらすじ
春を待ち望む気持ちは、どうしてこんなにも切なく、あたたかいのだろう。
本作は、冬から春へと移りゆく季節のなかで、「命の循環」「別れと再生」という普遍的なテーマを、やさしく静かに描いた絵本です。
主人公は、冬の妖精たちによって生み出された、まっしろな猫「ユキ」。
雪でできた存在であるユキは、小鳥との出会いをきっかけに、まだ見ぬ「春」という季節に強く心を惹かれていきます。
色にあふれ、あたたかさに満ちた世界――その憧れは、同時に、避けられない運命とも向き合うことを意味していました。
この絵本が描くのは、「死」や「別れ」を恐ろしいものとして突きつける物語ではありません。
消えてしまうこと、失うことを、終わりではなく、かたちを変えてつながっていくものとして見つめ直す視点が、全編を通して静かに流れています。
雪が溶け、大地に還り、また次の季節へと受け渡されていくように、命もまた循環していく——その感覚が、言葉と絵の余白から自然と伝わってきます。
作者は、イタリアと日本を拠点に活動する絵本作家・刀根里衣。
国際的に評価されてきた繊細な色彩感覚、とりわけ印象的に使われる「青」は、本作でも重要な役割を果たしています。
本作は、「死ぬことがこわい」という率直な問いに向き合うなかで生まれた一冊。
悲しみを無理に乗り越えさせるのではなく、そっと隣に座り、考える時間を差し出してくれる絵本です。
悲しさの中にも、確かに希望はある。
生や死について、やさしく考えたい、伝えたい——そんなすべての人の心に、静かな余韻を残してくれる作品です。
著者紹介
福井県生まれ。絵本作家。2010年、イタリア人編集者に見いだされ、翌年『なんにもできなかったとり』(“Questo posso farlo”、NHK出版)でデビュー。ミラノを拠点に約12年を過ごし、現在は日本とイタリアの二拠点で創作活動を行う。2012・13年にボローニャ国際絵本原画展入選、13年「国際イラストレーション賞」受賞。受賞作をもとにした『ぴっぽのたび』(“El viaje de PIPO”、NHK出版)は日本でのデビュー作。主な著作に『モカと幸せのコーヒー』(NHK出版)『ねずくんとママのおおげんか』(Gakken)ほか。
| シリーズ名 | --- |
|---|---|
| 発行年月 | 2026年2月 |
| 本体価格 | ¥1,800 |
| サイズ・版型 | A4判(210×297) |
| ページ数 | 32ページ |
| 内カラーページ数 | --- |
| ISBNコード | 9784408651941 |
| ジャンル | 児童書 > 絵本 |
| 映像化・ メディアミックス実績 |
なし |




