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資本主義の〈その先〉へ
あらすじ
資本主義の問題をめぐっては、欧米をはじめ各地で優れた研究者が探究を進めてきた。その多くが、経済現象としての資本主義に照準したものだが、本書はそれに対し、狭義の資本主義の本質を解明した上で、近代科学や近代小説をも含み込んだ、より包括的な社会現象として資本主義を再定義。ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、ベンヤミン「宗教としての資本主義」を主に参照しつつ、カルヴァン派の予定説を徹底的に解明することで、この視座を導出。その上で、資本主義の〈その先〉の社会の、最も基本的な骨格構造を「適切な抽象度」において示す。偉大な先達たちの知見を踏まえた上で、世界的に見ても独創的な議論を展開した一冊。
柄谷行人氏(哲学のノーベル賞を目指して創設された「バーグルエン哲学・文化賞」を今年受賞)の次の世代で、最も優れた思想家の一人と目される大澤真幸氏。本書は、ヘーゲル、マルクス、ヴェーバー、ベンヤミン、ケインズ、グレーバー、ピケティ、柄谷行人、見田宗介といった第一級の知識人らの知見を踏まえながら、資本主義とは何であり、〈その先〉へ行くことは可能かという、人間社会にとって重要かつ喫緊の問題を論じ切っており、大澤氏の著書を翻訳出版する際の、初の作品として、きわめて意義深い。
著者紹介
大澤真幸(おおさわ・まさち):1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。思想誌『THINKING 「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』( 講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。他の著書に『不可能性の時代』『夢よりも深い覚醒へ』(以上、岩波新書)、『〈自由〉の条件』(講談社文芸文庫)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)、『日本史のなぞ』(朝日新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(以上、講談社現代新書)、『資本主義という謎』(NHK出版新書)などがある。
シリーズ名 | --- |
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発行年月 | 2023年6月 |
本体価格 | ¥2,400 |
サイズ・版型 | 四六判(127×188) |
ページ数 | 456ページ |
内カラーページ数 | --- |
ISBNコード | 9784480867438 |
ジャンル | 人文・教養・教育 > 哲学・思想 |
映像化・ メディアミックス実績 |
なし |