あらすじ

中学２年の4月、美少女の小林アンは突然友人から無視されるようになる。クラス内カースト上位の女子グループにはよくあることだ。アンは彼女たちとの関係を保ちながらも、頽廃的な世界（自殺や事故、死に関する記事をスクラップするなど）に没入する。ある日、アンはクラス内カースト下位男子の徳川が、河原で動物を踏み殺しているような現場を目撃。お互い「闇」に共感し、この価値観を極めたくて「自分を殺してほしい」とアンは徳川に依頼する。二人は密かに相談を重ねるが、アンが再び「無視」のターゲットになり状況は一変。アンは今まで見えてなかった彼の一面を知る。二人の不思議な友情の行方は？　そしてアンは徳川の手にかかるのか!?

著者紹介

1980年生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞を、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞。