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猫が30歳まで生きる日
あらすじ
日本では1000万頭近い猫が飼われているといわれますが、その多くが腎臓病で亡くなっています。猫に塩分を控えた食事をさせて日々気をつけていても、加齢とともに腎機能は必ず低下してしまいます。そんな猫の腎臓病の原因は、これまでまったく不明でした。
そんななか、宮崎徹先生が血液中のタンパク質「AIM(apoptosis inhibitor of macrophage)」が急性腎不全を治癒させる機能を持つことを解明しました。猫は、このAIMが正常に機能しないために腎臓病にかかることもわかったのです。
このAIMを利用して猫に処方すれば、腎臓病の予防になり、猫の寿命が大幅に延び、現在の猫の平均寿命である15歳の2倍である、30歳まで生きることも可能であるとされています。
──これは、愛猫家にとっては、とてつもない朗報です。さらに、AIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病だけでなくアルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで〈治せない〉と言われていた病気にも活用が期待されます。
本書は、最新医療の研究現場のリアルを伝えます。
●目次
はじめに――ヒトの医者、ネコの薬に挑む
序 章 「余命1週間」からの復活
第1章 臨床から基礎医学の世界へ
第2章 研究の修業時代
第3章 謎のタンパク質「AIM」との出会い
第4章 〈治せない病気〉とAIM
第5章 AIMによる〝ゴミ掃除〟と腎臓病
第6章 ネコの腎臓病とAIM
第7章 腎臓病のネコにAIMを投与
第8章 ネコ薬の開発
第9章 臨床試験に向けて
第10章 新型コロナウイルスとAIM
著者紹介
宮崎 徹
一般社団法人AIM医学研究所代表理事・所長
1986年東京大学医学部医学科卒、医学部附属病院第三内科に入局。熊本大学大学院を経て、92年よりパスツール大学(仏ストラスブール)研究員、95年よりバーゼル免疫学研究所(スイス)主任研究員、2000年よりテキサス大学(米ダラス)にて免疫学准教授、06年より22年まで東京大学大学院医学系研究科教授を歴任。
22年4月より一般社団法人AIM医学研究所代表理事・所長。1999年にAIMを発見し、その後研究を発展させ、現在腎臓病を始めとする多くの疾患に対するAIM創薬を推進している。その間、猫では先天的にAIMが機能不全であることを見出し、猫の腎臓病を標的としたAIM動物薬も開発中である。
シリーズ名 | --- |
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発行年月 | 2021年8月 |
本体価格 | ¥1,800 |
サイズ・版型 | 四六判(127×188) |
ページ数 | 244ページ |
内カラーページ数 | 4ページ |
ISBNコード | 9784788717558 |
ジャンル | 人文・教養・教育 > ノンフィクション・ドキュメンタリー |
映像化・ メディアミックス実績 |
なし |