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乳がん「手術後」の不安をなくす新しい生活術
あらすじ
結局は、正しい知識が、がんに向き合う最大の “武器”。
ネットに出回る不確かな記事を読む前に、ぜひ本書を手に取ってください!
がんは医療の進展で「不治の病」とは呼ばれなくなってきました。でもそれゆえに、がんにかかった人にとって重要になってきているのが、治療と向き合いながらも、“自分らしい生活” を送ること。がん治療の現状を知って、正しい知識を得ることができれば、“自分らしい生活”は実現できます。「抗がん剤の副作用は?」「術後の食生活は?」「免疫療法の可能性は?」……などなど。断片的・断定的なネット記事で、もしかしたら誤解していることがとても多いかもしれません。本書の丁寧な記事と図解で、ぜひ “正しい知識”を手に入れてください。【監修者の「前書き」より】
本書を手にされたあなたは、ご本人あるいは身近な方が乳がんの手術を終えられたばかりか、手術を控えた状況でいらっしゃることでしょう。乳がんとわかってからの日々は、多くの検査と多くの説明、さまざまな選択と決断の連続だったと思います。手術を終えたら、とにかく、ご自身の心と体をいたわり、まずはひと息つきましょう。
これから始まる生活のことを、少し整理しましょう。
乳がんの性質によって異なりますが、手術後は術後治療が始まります。抗がん薬治療は数か月から1年近く、ホルモン療法では5年から10年の長丁場です。乳がんは、治療後の経過が比較的順調な場合が多く、治療を終えた経過観察中の生活も、ふだんとあまり変わらずに過ごすことができます。とはいえ、乳房を手術した現実や生活、社会活動のことなど患者さんには不安や苦痛が絶えません。これから先、どういう経過をたどり、どういうことが起きるのか、本当のことは誰にもわかりません。そのなかで、今後は「今一番大切なこと」を優先して生きていくために、家族やパートナーと話し合いながら決めていく必要があります。大切なことの優先順位は、人によって異なるのはもちろん、時間の流れとともに変わっていくでしょう。それは自然なことで、何度でも考え、話し合えばよいと思います。
このように「これからどう生きる」のか意識することを、医学的に「アドバンスケアプランニング」と呼びます。これには、家族、とくにパートナーの支えが欠かせません。そして支える方もまた、誰かの支えが必要な日がくるかもしれません。ときには思い切り涙を流し、感情を爆発させてもよいでしょう。周囲の人に頼りながら、今後の生活を少しでも明るく過ごしていただきたいと思います。
乳がんについて調べ、すでに膨大な情報に触れている方は、ご自身にとってつらいものが目についたかもしれません。しかし、今後の生活を考えるうえで大きな武器になるのは、正しい知識です。ぜひ正しい情報にアクセスし、理解して実践していってほしいと思います。本書では術後の治療や生活を中心に、先輩の体験談も踏まえながら紹介しています。情報源の一つとしてお使いいただき、不安や苦痛が少しでも和らげば幸いです。
大野 真司
著者紹介
相良病院院長/がん研有明病院顧問(元副院長・乳腺センター長)。1958年福岡県生まれ。1984年に九州大学医学部を卒業。米国テキサス大学の臨床腫瘍学研究員、国立病院九州がんセンター消化器部・外科、九州大学病院の講師を経て、2000年から国立大学病院九州がんセンターで乳腺科へ。2015年4月より、がん研究会有明病院乳腺センター長、2018年から副院長。乳がんの手術数が日本最多の同センターのリーダーとして、病気の診断と治療に当たる。そのほか、妊孕(にんよう)性温存や若年性乳がん患者さんへの支援、早期発見のための啓発活動、認定NPO法人「ハッピーマンマ」では代表理事を務めるなどピンクリボン運動にも尽力。患者さんの生活や心、患者さんの家族も支援する乳がん治療の “スペシャリスト”。2023年9月、鹿児島県の相良病院の院長に就任。治療の個別化・負担の軽減に努め、乳がんでの死亡率0%を目指している。監修書に『NHK ここが聞きたい! 名医にQ 乳がんのベストアンサー』(主婦と生活社)、編集書には『トリプルネガティブ乳癌Q&A』(医歯薬出版)などがある。
シリーズ名 | --- |
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発行年月 | 2023年11月 |
本体価格 | ¥1,600 |
サイズ・版型 | A5判(148×210) |
ページ数 | 176ページ |
内カラーページ数 | --- |
ISBNコード | 9784391159721 |
ジャンル | 実用書 > その他 |
映像化・ メディアミックス実績 |
なし |