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家族はなぜ介護してしまうのか
あらすじ
介護を頑張りすぎることへの問題提起。
患者の人生や性格に合わせた介護が求められる現在の認知症。患者をよく知るからこそ、家族は悩み、憤り、反省する。認知症を理解し、介護へと導かれ、患者との関係を再構築するまでの家族の営みを丹念に描く。
――はじめにより
彼ら家族たちは介護保険サービスを利用しながらも、何らかの形で介護を担っていた。彼らは例えば、日常的にケアマネジャーと介護の方針についてすり合わせ、患者が通う通所介護施設(デイサービス)を訪問して日々の様子を観察し、サービス内容に意見を申し立てていた。……
これから事例として紹介するように、彼らは介護の中で、悩むこと、憤ることを繰り返す。頼れるプロがいながらも、そして「介護はプロに」と思いながらも、彼ら家族は介護に、いわば巻き込まれていってしまう。……
私が注目するのは、「認知症」という病だ。そこに、「家族はなぜ介護してしまうのか」という謎を巡る、重要な論点が隠されている。
鍵となるのが、患者個々人の「その人らしさ(personhood)」に関する知識だ。患者本人を介護の中心に据え、多様な専門職がかかわる介護の体制がつくられるからこそ、介護家族の知識が頼られ、介護にかかわらざるを得なくなってしまう。
……そんな彼らが、何を目指し、何に苦悩しながら介護をしていたのか。社会学の立場から、きちんと分析をしておきたい。
著者紹介
京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学,博士(文学)。
現在,大阪市立大学都市文化研究センター研究員,東京都健康長寿医療センター研究所非常勤研究員ほか。専門は医療社会学,家族社会学。
主要著作に,『最強の社会調査入門これから質的調査をはじめる人のために』(共編著,ナカニシヤ出版),『認知症の人の「想い」からつくるケア 在宅ケア・介護施設・療養型病院編』(共著,インターメディカ),『方法としての構築主義』(共著,勁草書房)。
シリーズ名 | --- |
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発行年月 | 2019年2月 |
本体価格 | ¥2,300 |
サイズ・版型 | 四六判(127×188) |
ページ数 | 256ページ |
内カラーページ数 | --- |
ISBNコード | 9784790717263 |
ジャンル | 人文・教養・教育 > 人文・教養・教育全般 |
映像化・ メディアミックス実績 |
なし |