あらすじ

国民的スターって、今、いないよな。…… いや、もう、いらないのかも。誰もが発信者となった今、プロとアマチュアの境界線は消えた。新時代の「スター」は誰だ。作家生活10周年記念作品〔白版〕「どっちが先に有名監督になるか、勝負だな」新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した立原尚吾と大土井紘。ふたりは大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。受賞歴、再生回数、完成度、利益、受け手の反応――作品の質や価値は何をもって測られるのか。私たちはこの世界に、どの物差しを添えるのか。朝日新聞連載、デビュー10年にして放つ新世代の長編小説。

著者紹介

1989年生。2009年『桐島、部活やめるってよ』でデビュー。13年に『何者』で第148回直木賞を受賞。男性受賞者としては最年少者23歳での受賞だった。大学在学中に作家デビュー、卒業後は就職活動を行って会社員となり、2015年までは兼業作家であった。2016年、英語圏最大の文芸誌「Granta」日本語版でGranta Best of Young Japanese Novelistsに選出。主な著書に『チア男子‼』『武道館』『世にも奇妙な君物語』『何様』『正欲』など。映像化、舞台化、漫画化した作品も多数。