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プラスチック・クライシス 日本発の新発見と技術革新が世界を救う
あらすじ
「このデータ、何かの間違いじゃないですか?」
愛媛県愛南町の海で行われた世界最大規模のフィールド試験で、研究者全員が耳を疑う新発見がありました。「ナイロンは生分解しない」――大学の教科書にも載っているその化学界の常識が、覆されたのです。著者の伊藤耕三氏は、東京大学で40年以上にわたりポリマー・プラスチック研究の最前線に立ち続けてきた、高分子化学の世界的権威です。現在、内閣府が推進する2つの国家プロジェクトを率いています。本書は、その最前線から生まれた日本発イノベーションの全貌を伝える一冊です。
■海を救う大発見
毎年1200万トンものプラスチックが海に流出し、累計3億トンを超えるごみがすでに海洋に存在していると言われています。とりわけ深刻なのが、流出した釣り糸や漁網が生物を捕獲し続ける「ゴーストフィッシング」問題です。著者が率いる研究チームはその解決策として、海中の細菌によって分解される「海洋生分解性プラスチック」の開発に取り組んでいます。フィールド試験では、それまで「非分解性」とされてきたナイロン6とナイロン66をある比率で共重合させた素材が、海中で生分解することが確認されました。
■日本の基幹産業を守る闘い
もう一つの課題が、廃プラスチックの資源循環です。EUは自動車製造において一定比率の再生プラスチック材の使用を義務づける「欧州ELV規則」を打ち出しており、現状のままでは日本の自動車メーカーはEUへの新車輸出が困難になります。著者が率いる産官学のプロジェクトでは、まず、自動車分野で再生プラスチック材の高品質化と、設計から生産・使用・回収・リサイクルまでの循環の仕組み構築を進め、その後に他の産業にも広げていきます。
■文系の方にもわかりやすく
本書の第3章には「超入門 文系のためのよくわかる高分子化学」を収録。化学の専門知識がなくても最後まで読み進められる構成になっています。
プラスチックのない社会に戻ることはできません。しかし今の状態を放置すれば、地球はプラスチックごみであふれていきます。その危機に対し、日本の科学と技術と知恵でどう向き合うか――ポリマー研究の第一人者である伊藤耕三・東大特別教授が描く、日本が切り開く希望ある未来へのロードマップ。
著者紹介
東京大学大学院新領域創成科学研究科特別教授、物質・材料研究機構フェロー。1986年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。通商産業省工業技術院繊維高分子材料研究所へ。91年東大講師、94年助教授、2003年教授、23年物質・材料研究機構フェロー、24年4月から現職。14~18年度に内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)のプログラム・マネージャー。20年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のムーンショット型研究開発事業のプロジェクト・マネージャー(PM)に就任。22~24年に高分子学会会長。23年度から内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のプログラム・ディレクター(PD)に就任。ムーンショットでは海洋生分解性プラスチックの研究開発、SIPではプラスチック分野のサーキュラーエコノミーシステムの構築などに取り組む。
| シリーズ名 | --- |
|---|---|
| 発行年月 | 2026年4月 |
| 本体価格 | ¥2,500 |
| サイズ・版型 | 四六判(127×188) |
| ページ数 | 256ページ |
| 内カラーページ数 | --- |
| ISBNコード | 9784296002474 |
| ジャンル | ビジネス > ビジネス・経営・自己啓発 |
| 映像化・ メディアミックス実績 |
なし |




