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黄色い夏の日

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あらすじ

七月半ばの日曜日。初夏らしい日差しが落ちるアスファルトの道をたどり、景介の向かう先にその家はあった。この春中学生になって入った美術部で「建物を描く」という課題がだされたとき、まっ先に浮かんだのが、木々と草花に囲まれながらしんと建つ、黒ずんだ灰色の壁と緑の屋根の古めかしい、決して大きくはないその洋館だった。主の老女に招き入れられ、足を踏み入れた洋館で、景介はひとりの可憐な少女に出会う。一目見たその時から、ゆりあと名乗ったその少女に心惹かれていく景介。細い廊下の突き当たりの彼女の部屋で、そしてキンポウゲの咲く裏庭ですごすゆりあとの時間、裏庭の垣根の向こうの家に住むもうひとりの少女やや子、古い日本映画に出てくるような佇まいのやや子の家。景介が洋館で過ごす時間、目にするものは、確かにそこにあるのに、さめきらない夢のように思える。そう、まるで夏の日差しにさらされて、すべてのものが色を失うように。
※サイズ:208 × 155 mm

著者紹介

高楼方子(たかどの・ほうこ)
函館市生まれ。絵本に『まあちゃんのながいかみ』(福音館書店)「つんつくせんせい」シリーズ(フレーベル館)など。幼年童話に『みどりいろのたね』(福音館書店)、低・中学年向きの作品に、『ねこが見た話』『おーばあちゃんはきらきら』(以上福音館書店)『紳士とオバケ氏』(フレーベル館)『ルゥルゥおはなしして』(岩波書店)「へんてこもり」シリーズ(偕成社)など。高学年向きの作品に『時計坂の家』『十一月の扉』『ココの詩』『緑の模様画』(以上福音館書店)『リリコは眠れない』(あかね書房)『街角には物語が.....』(偕成社)など。翻訳に『小公女』(福音館書店)、エッセイに『記憶の小瓶』(クレヨンハウス)『老嬢物語』(偕成社)がある。『いたずらおばあさん』(フレーベル館)で路傍の石幼少年文学賞、『キロコちゃんとみどりのくつ』(あかね書房)で児童福祉文化賞、『十一月の扉』『おともださにナリマ小』(フレーベル館)で産経児童出版文化賞、『わたしたちの帽子』(フレーベル館)で赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞を受賞。札幌市在住。

木村彩子(きむら・さいこ)
1979年、東京都生まれ。2003年東京造形大学絵画科を卒業後、04年同大学絵画研究科を修了。現在は佐賀に制作の拠点を置き、個展やグループ展を中心に作品を発表している。挿絵、挿画の仕事に『夏の朝』(本田昌子/福音館書店)『あかりの湖畔』(青山七恵/中央公論新社)などがある。

シリーズ名 福音館創作童話
発行年月 2021年10月
本体価格 ¥1,800
サイズ・版型 その他
ページ数 320ページ
内カラーページ数 ---
ISBNコード 978-4-8340-8626-3
ジャンル 児童書 > その他
映像化・
メディアミックス実績
なし
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