筑摩書房 お気に入り
魚にも自分がわかる
あらすじ
従来、鏡を見て自分を認識する能力は、ヒトのほか霊長類など知能が高いとされる一部の動物しか持っていないとされていた。しかし、著者は「魚が鏡を見て、自分の体についた寄生虫を取り除こうとする」という研究を発表し、世界を驚かせた。
霊長類学者のゴードン・ギャラップが開発した動物の鏡像認知実験でのチンパンジーと同様、魚も「他者と勘違いして鏡像を攻撃→鏡の前で不自然な行動をして、自分だと確かめようとする→自分だと認識する」という3段階の反応をする。
この研究は、『魚は痛みを感じるか?』の著者ヴィクトリア・ブレイスウェイトらに絶賛される一方、ギャラップやフランス・ド・ヴァールら霊長類学者たちに厳しく批判された。霊長類学者たちは、「ヒトに近い動物ほど賢い」という西洋的価値観の呪縛に囚われてはいないだろうか?
魚だけでなく、動物の知性や心の進化を考える上で非常に重要かつ最先端の研究を、ユーモアたっぷりに綴る。
著者紹介
大阪市立大学大学院理学研究科(動物社会学研究室)教授。理学博士。アフリカのタンガニイカ湖の魚や珊瑚礁魚などを主な対象に、魚の知能を研究している。共著に『隠す心理を科学する』(北大路書房)、『魚類生態学の基礎』(恒星社厚生閣)。
シリーズ名 | ちくま新書 |
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発行年月 | 2021年10月 |
本体価格 | ¥900 |
サイズ・版型 | 新書(103×182) |
ページ数 | 260ページ |
内カラーページ数 | --- |
ISBNコード | 9784480074324 |
ジャンル | 理学・工学・コンピューター > 理学・工学・コンピューター |
映像化・ メディアミックス実績 |
なし |