あらすじ

かやねずみのラルゴは、兄弟のなかでひとりだけしっぽの先がまるまっています。「くるりんしっぽは幸せをつかんでくれるのよ」母さんが教えてくれました。
家族のために食べものを探しに出かけたラルゴがすいよせられるように出会ったのは小さな家でひとり、楽器を弾くおじいさんでした。
おじいさんが演奏をはじめると、音のつぶがあふれだし楽しい思い出たちが次々と現れてダンス、ダンスーー
ラルゴもおじいさんの世界に引き込まれていきます。曲が終わりラルゴが慌てて隠れると窓のすきまにはクルミが置いてありました。
それから、ラルゴは毎日おじいさんの家を訪れるようになります。
夏が終わり、のはらに秋がやってきました。いつものようにおじいさんの家に行くと、明かりが消えていました。
「あれ？今日はしずかだなぁ」

美しく細やかな切り絵で表現された、音楽を通して人間と動物のきずなを描く感動作です。

著者紹介

絵本作家・イラストレーター。京都大学農学部大学院在籍中に、縁あってデザインの楽しさに触れ、デザイン、イラスト、絵本制作を始める。
著書：第6回絵本出版賞 審査員特別賞受賞作『まんげつのよるのピクニック』、『うりぼうきょうだいのみつけもの』(みらいパブリッシング)、『ぱん いただきまーす』(ブックオフコーポレーション)、『Delicious Circus』(Bento Books, Inc.)。
その他の受賞歴：第2回有田川町絵本コンクール佳作/第6回Be絵本大賞入賞/第13回日本新薬こども文学賞絵画部門大人の部優秀賞。