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青春とシリアルキラー
佐藤 友哉
あらすじ
男性としての自信が失われた世代が、社会への反発から犯罪者に共感してしまう状況を描いた、1980年生まれの著者による自伝的小説である。若くしてデビューした著者は結婚し、息子もいて平穏な暮らしを送っていた。ある日、数年ぶりにパリから帰国したかつての担当編集者から連絡があって再会し、以前中断したままになっている小説を完成させないかと誘われる。それは、同世代の実在するシリアルキラーをテーマにした小説だったが、担当の編集者が日本を離れてしまったこともあり、中断したままになっていたのだ。しかし、小説家はもはや若い頃のような関心をシリアルキラーに持っていなかった。彼は良い父親として家族と幸福に生きていたからである。しかし、編集者と打ち合わせを重ねていく中で、次第に今の家族の中での幸福に疑問を持つようになっていく。小説家は自分の中に残された青春の残滓を消化すべく、新たなる挑戦としてのバンド活動やシリアルキラーへの考察を通じて自らの現状を受け入れつつ、失われたはずの青春を取り戻していく。家族や男性の役割が変化していく中で、生きづらさを感じる現代日本の男性の共感を呼んだ作品。
著者紹介
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シリーズ名 | --- |
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発行年月 | 2022年4月 |
本体価格 | ¥1,800 |
サイズ・版型 | 四六判(127×188) |
ページ数 | 248ページ |
内カラーページ数 | --- |
ISBNコード | 9784834253566 |
ジャンル | 文芸・文庫 > 文芸・文庫全般 |
映像化・ メディアミックス実績 |
なし |