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ジェンダーで学ぶメディア論

林 香里/田中 東子(編)

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あらすじ

ジェンダー概念が切り開く、これからのメディア論!

デジタル化と多様化が進むメディア。
SNSを介したフェイクニュースやヘイトスピーチの広がり。
それでもスマホを手放せない私たち。
メディアと社会の今をとらえるとき、「ジェンダー」は最適なレンズとなる。
メディア論の基礎をジェンダーの視点から学ぶ、新しい入門書。

【「序章」より】
日本の高等教育では、「女性」「ジェンダー」「多様性」といった概念は現在においてもまだ主流のテーマにはなっておらず、取り残された課題となっている。メディア論の領域でも例にたがわず、ジェンダー概念からメディアについて考える体系的な教科書はいくつかの例外を除いては刊行されていない。つまり、メディアに関する世界では、そもそも調査対象としての「メディア業界」がジェンダー不平等な構造になっているだけでなく、「メディア論」や「メディア研究」においても、男性の側から見た世界観、つまり社会の半分側からしか見ていない世界観を、あたかもそれがすべてであり全体像であるかのように考え、拡大、発展してきたと言えるのだ。

 しかし、そうであるからこそ、ジェンダーの視点は情報化社会の構造、ひずみ、課題を考察する際に用いるべき優れた拡大鏡となり、現代の情報化社会が抱える諸課題の所在を案内するナビゲーターになりうるのではないだろうか。たとえば、差別的な視点を含むCMに対するネットでの「炎上」や、Twitterによるヘイトスピーチやミソジニックな投稿、蔓延するフェイクニュース、あるいはアイドルやファン文化などは学生たちにも身近な話題だが、こうしたことは「ジェンダー」というレンズを通して見てみることで、あらためてその商業主義や権威主義、男性中心の嗜好とそれらへの対抗的な行為などがはっきりと浮かび上がるようになり、メディア特有の問題の諸相が明らかになっていくだろう。

著者紹介

林香里
東京大学大学院情報学環教授。専門はジャーナリズム・メディア研究。
主著:『メディア不信──何が問われているのか』(岩波書店、2017年)、『〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム──ケアの倫理とともに』(岩波書店、2011年)、『テレビ番組制作会社のリアリティ──つくり手たちの声と放送の現在』(共編著、大月書店、2022年)、『足をどかしてくれませんか。──メディアは女たちの声を届けているか』(編著、亜紀書房、2019 年)
田中東子
東京大学大学院情報学環教授。専門はメディア文化論、カルチュラル・スタディーズ、フェミニズム。
主著:『メディア文化とジェンダーの政治学──第三波フェミニズムの視点から』(世界思想社、2012年)、『ガールズ・メディア・スタディーズ』(編著、北樹出版、2021年)、『いいね!ボタンを押す前に──ジェンダーから見るネット空間とメディア』(共著、亜紀書房、2023年)、『フェミニズムとレジリエンスの政治──ジェンダー、メディア、そして福祉の終焉』(マクロビー著、共訳、青土社、2022年)、『出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ』(共編著、ナカニシヤ出版、2017 年)

シリーズ名 ---
発行年月 2023年3月
本体価格 ¥2,100
サイズ・版型 四六判(127×188)
ページ数 264ページ
内カラーページ数 ---
ISBNコード 9784790717782
ジャンル 人文・教養・教育 > 人文・教養・教育全般
映像化・
メディアミックス実績
なし
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