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王の綽名
あらすじ
禿頭王、肥満帝、青歯王、金袋大公、ドラキュラ公、助平ジジイ……今も伝わる55人の王につけられた綽名から、近代ヨーロッパのなりたちがわかる。ゴシップとスキャンダルに彩られた、華麗で野蛮な中世・近世欧州史!
『小説フランス革命』や『ナポレオン』をはじめ、スケールの大きな歴史小説で多くのファンを持つ直木賞作家・佐藤賢一氏が、中世から近世にかけてのヨーロッパの王の「綽名」にまつわる逸話を在位の時代順にひもといていく歴史エッセイ。1話=4ページのエスプリの効いたコラム集という趣きで、寄席の謎解きのように軽妙な語りが時空をまたいで逸話と逸話をつないでく。読んでいるとはっと掌を打ったり、思わず吹き出したり。
本書に登場するのは、9世紀のフランス・ドイツ・イタリアの元となったフランク王国の王から19世紀の二月革命で廃位されるフランスの「市民王」まで55人。北欧のヴァイキングや戦乱やまぬイベリア半島の王も登場し、星雲状態だった中世ヨーロッパがほぼ現在の国々の勢力図になっていくまでの1000年が活写される。残虐非道な謀略、親子兄弟の骨肉の争い、結婚や世継ぎを巡る醜聞、そこにカトリック教会など宗教がからみ、時に100年も続く戦争に発展する。まさに血で血を洗う歴史である。
「赤髭帝」フリードリヒ1世、「獅子心王」リチャード1世、「雷帝」イヴァン4世、「太陽王」ルイ14世……それぞれの綽名は在位当時の国情や世相を表している。それも華麗なゴシップと野蛮なスキャンダルに彩られた俗っぽさとともに。
そして、王の綽名にまつわるうんちくも随所にちりばめられていて楽しい。たとえば――
現在のウクライナの原型となるキーウ大公国の最盛期をなした「聖大公」の名「ウォロディーミル」は、ウクライナのゼレンスキー大統領のファーストネームだが、これをロシア語読みすると「ウラジーミル」、プーチン大統領のファーストネームになる。今もウクライナの首都キーウにそびえ立つ「聖大公」の銅像は、モスクワにも……
著者紹介
作家
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年『ジャガーになった男』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。99年『王妃の離婚』で直木賞受賞、2014年『小説フランス革命』で毎日出版文化賞特別賞受賞、20年『ナポレオン』(全3巻)で司馬遼太郎賞受賞、23年『チャンバラ』で中央公論文芸賞受賞。著作は多数。
シリーズ名 | --- |
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発行年月 | 2023年11月 |
本体価格 | ¥1,700 |
サイズ・版型 | 四六判(127×188) |
ページ数 | 232ページ |
内カラーページ数 | --- |
ISBNコード | 9784296118946 |
ジャンル | 文芸・文庫 > その他 |
映像化・ メディアミックス実績 |
なし |