あらすじ

「サンタクロース」と聞いて思い浮かべるのは、世界中の子どもたちへのたくさんのプレゼントを背負い、トナカイの引くそりに乗ってやってくる姿ではないでしょうか。
このお話に出てくる「サンタさん」はちょっと違います。「はなちゃん」ただ一人にプレゼントを贈るため、サンタさんは春から準備を始めます。羊の毛を刈るところから手作りされた、はなちゃんのためだけの特別なマフラーを丁寧に包み、はなちゃんの家だけを目指し、山を越え海を越え、トナカイも使わずまっすぐ走って行きます。はなちゃんに向けられるサンタさんのまっしぐらな目線は、親が子どもに向ける愛情そのもの。長年「クリスマス」をテーマに刺繍の個展を開いてきた長尾玲子さんの、新しい「サンタさん」のイメージです。

絵はこれまでの作品同様、すべて刺繍で作られています。今回はこれまで以上に密度が濃く「え、これが刺繍？」と思うくらい圧巻な画面も！　サンタさんが編むマフラーのように、一針一針に作者の気持ちがこめられた刺繍をぜひご堪能ください。
※サイズ：145 x 166 mm

著者紹介

1963年、東京に生まれる。東京YMCAデザイン研究所デザイン科卒。デンマーク、スカルス手工芸学校で刺繍を、オーストラリアNMITでイラストレーションを学ぶ。絵本に「クリスマス・イブのおはなし全３冊」（『あっちゃんとゆびにんぎょう』『100こめのクリスマス・ケーキ』『サンタさんのいちにち』）、『サンタさんありがとうーちいさなクリスマスのものがたり』『サンタさんとこいぬ』『ざっそうの名前』『ぼくの草のなまえ』（以上、福音館書店）がある。